トリクロサンとは?2016年に見直された殺菌成分をわかりやすく解説

トリクロサンは、殺菌・防腐の目的で薬用石けんや歯みがき、制汗剤などに使われてきた成分です。海外の規制をきっかけに日本でも見直しが行われた、少し珍しい経緯を持つ成分でもあります。公的な情報をもとに解説します。

目次

30秒でわかるまとめ

ウラミル判定🔍 要確認レベル3/3
どんな成分?殺菌・防腐を目的とした成分。薬用石けん・歯みがき・制汗剤などに使われてきた
公的な動き2016年、米FDAが抗菌石けんでの使用を禁止。日本の厚労省も代替成分への切替えを要請
見直しの理由「普通の石けんより感染予防効果が高い証拠がない」こと等。国内で健康被害の報告はなし

トリクロサンとは?

トリクロサン(Triclosan)は、細菌の繁殖を抑える殺菌剤・防腐剤として、1970年代ごろから世界中で幅広く使われてきた成分です。日本では、薬用石けん・ハンドソープ・歯みがき・デオドラント製品などに配合されてきました。よく似た名前の「トリクロカルバン」も、同じく殺菌目的で使われる成分です。

2016年、国内外で見直しが行われた

2016年に起きたこと。米国FDAが使用を認めない方針、日本の厚労省が切替え要請

トリクロサンが注目されたのは、2016年の出来事がきっかけです。

① 米国(FDA)が抗菌石けんでの使用を禁止

2016年9月、アメリカのFDA(食品医薬品局)は、トリクロサンを含む19の成分について、市販の抗菌石けんへの使用を認めない方針を発表しました。理由として、「これらの成分入りの石けんが、普通の石けんと水で洗う場合より感染症予防に優れているという十分な証拠がない」一方で、動物実験でのホルモン様作用や、薬剤耐性菌に関する懸念を示す報告があることを挙げています。

② 日本の厚生労働省も切替えを要請

これを受けて、日本の厚生労働省も2016年9月、トリクロサンなどを含む薬用石けんについて、対象成分を含まない製品へ切り替えるよう製造販売業者に要請する通知を出しました。国内ではこれらの成分を含む薬用石けんが多数承認されていましたが、これらの製品による健康被害は報告されていないことも、あわせて示されています。

いま、日本の製品では

💡 「禁止=危険」ではありませんこの要請を受け、多くのメーカーがトリクロサンを別の殺菌成分に切り替えました。そのため、現在市販されている製品でトリクロサンを見かける機会は以前より減っています。「危険だから回収された」という性質のものではなく、「より確実に安全と考えられる成分へ、予防的に置き換えられた」と理解するのが実態に近いでしょう。

成分表示での見つけ方

製品によっては、次のように表記されています。

  • トリクロサン
  • Triclosan(海外製品)
  • 類似成分として「トリクロカルバン」も同じく見直しの対象

よくある質問

昔この成分入りの石けんを使っていました。大丈夫?
厚生労働省の発表では、これらの成分を含む薬用石けんによる健康被害は報告されていないとされています。過度に心配する必要はないと考えられますが、気になる場合は現在販売されている製品を選ぶと安心です。
殺菌成分は避けたほうがいい?
一概には言えません。手洗いは石けんと流水で十分な効果が得られるとされており、日常生活では必ずしも強い殺菌成分にこだわる必要はない、という考え方が広がっています。
🔍 ほかの成分も調べてみませんか?
ウラミルの成分辞典をひらく →

出典・参考

  • 厚生労働省「トリクロサン等を含む薬用石けんの切替えを促します」(2016年)
  • 米国FDA:抗菌石けんに関する最終規則(2016年)

※本記事は公的機関の情報にもとづく一般的な解説であり、効果効能や特定製品の使用可否を保証するものではありません。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、専門医にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

化粧品・シャンプー・日用品の成分を、公的データにもとづいて中立的に解説しています。「怖いかどうか」ではなく「自分に合うかどうか」で選べるお手伝いをするのが私たちの仕事です。

コメント

コメントする

目次