ファンデーションやコンシーラー、アイブロウ、アイシャドウなどの成分表示でよく見かける「酸化鉄」。赤、黄、黒の3種類があり、これらを組み合わせることで、肌なじみのよい色やブラウン系の色がつくられています。いわゆる「鉄さび」と同じ仲間の成分と聞くと驚くかもしれませんが、化粧品には品質が管理された顔料が使われています。どんな成分なのかを整理します。
30秒でわかるまとめ
| ウラミル判定 | ✅ 安全レベル1/3 |
| どんな成分? | 鉄の酸化物からなる無機顔料。赤・黄・黒を組み合わせてファンデーションなどの色をつくる |
| 公的な評価 | 化粧品の色材として広く使われている。タール色素(法定色素)とは別の区分。食品添加物や医薬品の着色にも使われている |
| 注意したい人 | 金属などで肌トラブルを起こしやすい人は様子を見ながら。パウダー製品では粉を吸い込まないように |
酸化鉄はどんな成分?
酸化鉄は、鉄と酸素が結びついた無機化合物で、化粧品では主に色をつけるための顔料として使われています。赤色のものは「ベンガラ」とも呼ばれ、古くから塗料や陶磁器の着色にも使われてきました。成分表示では、赤色のものが「酸化鉄」や「ベンガラ」、黄色のものが「黄酸化鉄」、黒色のものが「黒酸化鉄」などと表示されることが多いとされています。
人の肌の色は、赤み・黄み・暗さのバランスで成り立っているため、赤・黄・黒の酸化鉄を配合比率を変えて混ぜることで、さまざまな肌色を表現できると考えられています。白色の顔料である酸化チタンと組み合わせることで、明るさの調整も行われます。
タール色素とは別の区分
化粧品の色材には、「赤202」「青1」のような名前で表示されるタール色素(法定色素)と、酸化鉄や酸化チタンのような無機顔料があります。酸化鉄は無機顔料に分類され、タール色素とは別の扱いです。水や油に溶けない粉体で、光や熱によって色があせにくい性質があるとされています。
どんな製品に使われている?
酸化鉄が使われる代表的な製品は、リキッドやパウダーのファンデーション、コンシーラー、BBクリームなどのベースメイクです。そのほか、アイブロウ、アイシャドウ、アイライナー、チーク、口紅など、茶色や赤みのある色を出したいポイントメイクにも幅広く使われています。
化粧品に使われる酸化鉄の中には、肌へのなじみや崩れにくさを高めるために、粒子の表面をシリコーンなどでコーティングした原料もあるとされています。この場合、コーティングに使われた成分も全成分表示に記載されるため、成分表示を読むときの手がかりになります。
また、酸化鉄は日焼け止めの一部に色づけとして配合されることもあります。化粧品以外では、食品添加物や医薬品の錠剤の着色などにも使われている成分です。ただし、用途ごとに品質や基準は異なるため、化粧品の酸化鉄は化粧品として使うことを前提に考えましょう。
使うときに気をつけたいこと
酸化鉄は、化粧品の色材として長く広く使われてきた成分で、肌への刺激は比較的少ないと考えられています。それでも、どんな成分でも合わない人がまったくいないとは言い切れません。まれに、化粧品の顔料が関係したとされる皮膚トラブルの報告もあるため、新しい製品を使ってかゆみや赤みが出た場合は使用を中止しましょう。
金属に反応しやすい体質の人の中には、メイク製品で肌トラブルが起きたことをきっかけに不安を感じる人もいます。原因が酸化鉄なのか、ほかの成分なのかは自己判断が難しいため、症状が続く場合は皮膚科で相談するのが確実です。
パウダーファンデーションやルースパウダーなど粉状の製品は、使うときに粉を大きく舞い上げないようにし、吸い込まないよう注意しましょう。目のまわりに使う製品は、粉が目に入らないようにすることも大切です。
また、顔料は肌の上に残りやすい成分です。メイクをした日は、使った製品に合ったクレンジングでやさしく落とし、肌に負担をかけすぎないようにしましょう。
よくある質問
- 「鉄さび」と同じなら肌に悪くない?
- 化学的には鉄の酸化物という点で共通していますが、化粧品には色や粒子、不純物などが管理された顔料が使われています。とはいえ、体質によって合わない場合もあるため、肌の様子を見ながら使いましょう。
- 酸化鉄が入っていないファンデーションはある?
- 肌色を表現するために多くのベースメイクに使われていますが、製品によって配合される色材は異なります。気になる場合は全成分表示で確認してください。
- ミネラルコスメに多いのはなぜ?
- 酸化鉄は鉱物由来の成分と同じ無機顔料に分類されるため、ミネラルをうたう製品の色づけにもよく使われているとされています。ただし「ミネラル」という表示に統一された定義はありません。
まとめ
酸化鉄は、赤・黄・黒の3色を組み合わせてファンデーションなどの色をつくる無機顔料です。化粧品の色材として広く使われ、刺激は比較的少ないと考えられていますが、合わない場合は使用を中止し、パウダー製品では粉の吸い込みに気をつけましょう。

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