没食子酸プロピルとは?酸化防止剤の注意点

口紅やリップクリーム、油分の多いクリームなどの成分表示で見かける「没食子酸プロピル(もっしょくしさんプロピル)」。製品に含まれる油が酸化して劣化するのを防ぐ「酸化防止剤」のひとつです。食品添加物としても使われている成分ですが、化粧品の分野では旧表示指定成分に含まれ、まれに接触皮膚炎の報告もあります。どんな成分なのか、どんな人が気をつけたいのかを整理します。

目次

30秒でわかるまとめ

ウラミル判定🔍 要確認レベル3/3
どんな成分?油の酸化を防ぐ酸化防止剤。口紅、リップ、クリームなど油分を含む製品に配合される
公的な評価旧表示指定成分。食品添加物としても使用できる食品と量が定められている
注意したい人過去にこの成分や似た構造の成分でかぶれた人、唇が荒れやすい人、敏感肌の人

没食子酸プロピルはどんな成分?

没食子酸は、植物に含まれるタンニンなどから得られる成分で、没食子酸プロピルはこれにプロピルアルコールを結合させた「エステル」と呼ばれる形の成分です。油になじみやすく、油脂が空気中の酸素と反応して劣化するのを抑える働きがあるとされています。

油が酸化すると、においが変わったり、色がくすんだり、肌への刺激になる成分が生じたりすることがあると考えられています。そのため、油分を多く含む化粧品では、品質を保つために酸化防止剤が少量配合されることがあります。没食子酸プロピルは、ほかの酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエンなど)と組み合わせて使われる場合もあるとされています。

食品添加物としての顔も

没食子酸プロピルは、日本では食品添加物としても指定されており、油脂やバターなど、使用できる食品と量に基準が設けられています。欧州でも食品添加物として認められている成分です。ただし、食品と化粧品では使い方も基準も異なるため、「食品にも使われているから肌にも問題ない」と単純に考えないほうがよいでしょう。

旧表示指定成分と接触皮膚炎の報告

没食子酸プロピルは、まれにアレルギーなどの皮膚トラブルを起こす可能性があるとして、かつて表示が義務づけられていた「旧表示指定成分」のひとつです。現在は全成分表示が義務化されているため、ほかの成分と同じように表示されています。

皮膚科の分野では、没食子酸エステル類によるアレルギー性の接触皮膚炎の報告があります。口紅やリップクリームによる唇のかぶれ(口唇炎)の原因として挙げられた例や、食品を扱う職業の人での報告もあるとされています。また、構造の似た没食子酸オクチルや没食子酸ドデシルとのあいだで、反応が重なる可能性を指摘する報告もあります。

一方で、こうした報告はまれとされており、配合される量も少量であることが一般的です。多くの人にとって日常的に問題となる成分とは考えられていませんが、体質によっては合わない場合があるという点は知っておきたいところです。

⚠️ 注意したいこと

唇や肌に赤み、かゆみ、腫れ、ひび割れなどが出て、なかなか治らない場合は使用を中止し、皮膚科に相談してください。原因を調べるパッチテストを行っている医療機関もあります。

どんな人が気をつけたい?

次のような人は、成分表示で没食子酸プロピルを確認しておくと、製品選びの手がかりになります。
・過去に口紅やリップクリームで唇がかぶれたことがある人
・皮膚科のパッチテストで没食子酸エステル類に反応が出たと言われた人
・敏感肌で、油分の多い製品で肌トラブルを起こしやすい人

唇は皮膚が薄く、飲食や会話で成分が口に入りやすい部位でもあります。リップ製品を新しく使い始めて違和感が続く場合は、どの製品を使い始めた時期に症状が出たかをメモしておくと、原因を探すときに役立つことがあります。

なお、酸化防止剤は製品の劣化を防ぐために配合されている成分です。酸化防止剤が入っていない製品を選ぶ場合は、開封後は早めに使い切る、高温や直射日光を避けて保管するなど、製品の状態にも気を配りましょう。

よくある質問

「無添加」の製品には入っていない?
「無添加」の意味は製品ごとに異なり、何を配合していないかはメーカーによって違います。気になる場合は、全成分表示で「没食子酸プロピル」という名前を直接確認するのが確実です。
ビタミンEの酸化防止剤とは違う?
どちらも油の酸化を防ぐ目的で使われますが、別の成分です。トコフェロール(ビタミンE)も体質によって合わない人がいるとされるため、成分にかかわらず肌の様子を見ながら使うことが大切です。
食べ物に入っていても気にしたほうがいい?
食品添加物としては使用基準が定められています。食品で症状が出た経験がある場合や不安がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。

まとめ

📌 まとめ

没食子酸プロピルは、口紅やクリームなど油分を含む製品の酸化を防ぐ酸化防止剤です。食品添加物としても使われていますが、化粧品では旧表示指定成分に含まれ、まれに接触皮膚炎の報告があります。唇や肌にトラブルが続く場合は使用を中止し、皮膚科で相談しましょう。

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この記事を書いた人

化粧品・シャンプー・日用品の成分を、公的データにもとづいて中立的に解説しています。「怖いかどうか」ではなく「自分に合うかどうか」で選べるお手伝いをするのが私たちの仕事です。

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