「ヒトオリゴペプチド-1」は、EGFという名前でも知られる化粧品成分です。成分名に「ヒト」とあるため、「人の体から採った成分?」と驚く人も少なくありません。実際には、名前の意味と成分の中身にはギャップがあります。この記事では、名前の由来とつくり方、化粧品として言えること・言えないこと、使うときの注意点を整理します。
30秒でわかるまとめ
| ウラミル判定 | ✅ 安全レベル1/3 |
| どんな成分? | 53個のアミノ酸からなり、人の体内にあるEGF(上皮成長因子)と同じ構造をもつように作られた成分 |
| 公的な評価 | 化粧品原料として使われている。人の組織から採ったものではなく、遺伝子組換え技術を使って微生物などにつくらせたもの |
| 注意したい人 | 肌荒れ中の人、たんぱく質やペプチド系の成分でかぶれた経験がある人 |
ヒトオリゴペプチド-1とはどんな成分?
EGF(上皮成長因子)は、もともと人の体内でつくられているたんぱく質の一種で、皮膚などの細胞の働きにかかわる物質として知られています。EGFを発見した研究者は、1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
ヒトオリゴペプチド-1は、このEGFと同じアミノ酸の並び(53個)をもつように作られた化粧品成分です。「オリゴペプチド」という名前がついていますが、アミノ酸の数から見ると小さなたんぱく質ともいえる大きさです。化粧品では、肌にうるおいを与える、肌を整えるといった目的で配合されています。
「ヒト」は人から採ったという意味ではない
成分名の「ヒト」は、人の体から採取したという意味ではなく、人の体内にあるEGFと同じ構造をもつ、という意味で使われています。国際的な成分名(INCI名)では「sh-Oligopeptide-1」と表記され、先頭の「sh」は「synthetic human(人と同じ構造を合成したもの)」を表すとされています。
実際の原料は、EGFをつくる遺伝子を大腸菌や酵母などの微生物に組み込み、その微生物につくらせる方法(遺伝子組換え技術)で製造されるのが一般的です。つまり、人の組織や細胞が化粧品に入っているわけではありません。
成分表示と広告での呼ばれ方
日本の成分表示では「ヒトオリゴペプチド-1」と記載されますが、広告やパッケージでは「EGF」「ヒト型EGF」などと呼ばれることがあります。同じ成分を指していても呼び方がさまざまなため、気になるときは成分表示の名前で確認すると確実です。配合量はごく微量であることが多く、成分表示の後半に書かれているのが一般的です。名前の末尾の番号が違う「ヒトオリゴペプチド」は、構造の異なる別の成分として扱われます。
「ヒト幹細胞培養液」などとして知られる成分は、ヒトオリゴペプチド-1とは別の成分です。名前に「ヒト」が入っていても、原料の由来や中身はそれぞれ異なります。
化粧品として言えること・言えないこと
EGFは体内で細胞の働きにかかわる物質であることから、化粧品の広告などで期待をあおる表現が使われることがあります。しかし、化粧品として表示できる効能は、「肌にうるおいを与える」「肌を整える」「肌のキメを整える」など、国が定めた範囲に限られています。
細胞や肌の状態を根本から変える、年齢による変化を元に戻すといった表現は、化粧品の効能の範囲を超えるものとされています。成分名の印象だけで効果を判断せず、表示されている効能の範囲で受け止めるのが現実的です。
使うときの注意点
ヒトオリゴペプチド-1は、一般に刺激性が低いとされる成分です。ただし、たんぱく質系の成分であるため、まれに肌に合わない人もいると考えられます。また、熱や時間の経過で品質が変化しやすいとされるため、製品は高温や直射日光を避けて保管し、開封後は早めに使い切るのが無難です。傷や湿疹がある部分への使用は避け、赤みやかゆみが出たら使用を中止しましょう。
よくある質問
- 人の細胞や血液が入っているの?
- 入っていません。人の体内にあるEGFと同じ構造をもつように、微生物などを使ってつくられた成分です。「ヒト」は構造が同じという意味で使われています。
- 「EGF配合」と書かれた製品は医薬品に近いもの?
- 化粧品に配合されている場合は、あくまで化粧品です。表示できる効能は、うるおいを与える、肌を整えるなど化粧品の範囲に限られます。
- 敏感肌でも使える?
- 一般に刺激性は低いとされますが、肌との相性は製品全体の処方で決まります。敏感肌の人はパッチテストをしてから使うと安心材料になります。
- 配合量が多いほど効果が高い?
- 配合量と実感の程度が単純に比例するとはいえません。化粧品として期待できるのは表示されている効能の範囲であり、量だけで製品を選ぶ必要はないと考えられます。
まとめ
ヒトオリゴペプチド-1は、人の体内にあるEGFと同じ構造をもつように、微生物などを使ってつくられた成分です。「ヒト」は人から採ったという意味ではありません。化粧品として表示できる効能は国が定めた範囲に限られるため、名前の印象に左右されず、保管方法や肌との相性に気を配りながら使いましょう。

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