「秋になると抜け毛が増えた気がする」という声はよく聞かれます。本当に季節で変わるのでしょうか。髪が生え変わるしくみ(ヘアサイクル)と、よく語られる通説、1日の抜け毛の目安、受診を考えたいサインまでを整理します。
30秒でわかるまとめ
| 結論 | 秋に抜け毛が増えたと感じる人は多く、季節による変動を示唆する報告もありますが、個人差が大きいとされています。 |
| 1日の目安 | 一般に50〜100本程度が自然な範囲と言われています。 |
| ポイント | 洗髪時や朝の枕など、目につきやすい場面で多く感じやすい。頭皮をこすりすぎない洗い方が基本。 |
| 注意したい人 | 急に増えた、まとまって抜ける、地肌が透けてきた、かゆみや赤みを伴う場合は皮膚科で相談を。 |
髪は「生え変わる」もの。ヘアサイクルの基本
髪の毛は1本ずつ、伸びる期間と抜け落ちる期間をくり返しています。これをヘアサイクル(毛周期)と呼び、一般的には次の3つの段階に分けて説明されます。
| 成長期 | 髪が伸び続ける期間。頭髪では数年続くとされています。 |
| 退行期 | 成長が止まり、毛根が縮んでいく数週間程度の期間です。 |
| 休止期 | 髪が抜け落ちるのを待つ数か月程度の期間。この後、同じ毛穴から新しい髪が生えてくるとされています。 |
頭髪全体では、およそ85〜90%が成長期、10%前後が休止期にあるとされています。つまり、毎日ある程度の髪が抜けるのは、新しい髪と入れ替わるための自然な流れと考えられています。抜けた髪の根元に白っぽくふくらんだ部分(毛根)がついていれば、休止期を終えて抜けた毛であることが多いと言われます。
根元のふくらみがなく、途中で切れている毛は、摩擦や乾燥、熱などで折れた「切れ毛」の可能性があります。こちらはヘアサイクルとは別に、髪の扱い方を見直すヒントになります。
「秋は抜け毛が増える」通説はどこまで本当?
秋に抜け毛が増えるという話には、いくつかの説明があります。よく語られるのは、夏の強い紫外線や汗、皮脂、冷房による乾燥などが頭皮や髪の負担となり、その影響が数か月遅れて秋に表れるという考え方です。
また、海外では季節ごとに休止期の毛の割合を調べた研究があり、夏から秋にかけて休止期の毛が多くなる傾向がみられたという報告もあります。動物の「換毛期」になぞらえて説明されることもありますが、人の髪で同じしくみが働いているかは、はっきりとわかっていない部分もあります。
いずれにしても、季節による変化の感じ方は人によって大きく異なるとされています。「秋だから必ず増える」「秋だから増えても気にしなくていい」と決めつけず、自分の髪の様子を落ち着いて観察することが大切です。
1日の抜け毛の目安と、多く見えやすいタイミング
1日に抜ける髪の本数は、一般に50〜100本程度が目安と言われています。ただし髪の量や長さ、年齢、体調などで変わるため、あくまで参考の数字です。
抜け毛は、シャンプー中や朝起きたときの枕、ブラッシングのときに目につきやすくなります。とくにシャンプーでは、前回の洗髪以降に抜けかけていた髪がまとめて流れ出るため、実際より多く感じやすいとされています。1〜2日洗わなかった後に「ごっそり抜けた」と驚くのも、このためと考えられます。髪が長い人は1本が目立つので、本数が同じでも量が多く見えがちです。
毎日正確に本数を数えるのは現実的ではありません。排水口にたまる量や枕に残る髪など、いつもと同じ場面で比べてみると変化に気づきやすくなります。
秋の頭皮と髪のためにできること
季節の変わり目は、頭皮も乾燥や気温差の影響を受けやすい時期とされています。毎日のケアでは、次のような点が基本と考えられています。
洗うときは指の腹でやさしく
爪を立ててゴシゴシこすると、頭皮の負担になるおそれがあります。シャンプーはよく泡立て、指の腹で地肌を動かすように洗い、すすぎは時間をかけて丁寧に行うのが基本とされています。
乾かすのは早めに、熱は当てすぎない
濡れた髪は摩擦に弱い状態とされます。タオルで押さえるように水気を取り、ドライヤーは適度に距離をとって根元から乾かすと、切れ毛の予防にもつながると考えられています。
生活リズムも見直す
睡眠や食事、ストレスの影響が髪に表れることもあると言われます。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、無理のない範囲で整えておきましょう。なお、育毛剤などの医薬部外品は、国に承認された効能の範囲で表示されています。使う場合は用法を守り、頭皮に赤みやかゆみが出たら使用を中止してください。
よくある質問
- 秋の抜け毛は、時期が過ぎれば落ち着きますか?
- 季節的な変動であれば時期が過ぎると落ち着いたと感じる人もいますが、原因は人それぞれです。数か月たっても変わらない、むしろ増えていると感じる場合は、皮膚科で相談することが勧められます。
- シャンプーを変えれば抜け毛は減りますか?
- シャンプーは頭皮や髪の汚れを落とすためのもので、抜け毛そのものを止めると言い切れるものではありません。洗浄力や使用感が合わず、かゆみやフケが出ている場合は見直すきっかけになります。
- どんなときに皮膚科に行けばいいですか?
- 急に抜け毛が増えた、髪がまとまって抜ける、円形に抜けている部分がある、地肌が透けてきた、強いかゆみや赤み・フケを伴う、といった場合は自己判断せず皮膚科で相談しましょう。
まとめ
髪は毎日生え変わっており、一般に1日50〜100本程度の抜け毛は目安の範囲とされています。秋に増えるという通説には研究報告もありますが個人差が大きく、決めつけは禁物です。いつもと違う抜け方や頭皮の症状を伴う場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。

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